エンジンというもの、オイルがないと動かすことはできません。そんなエンジンオイル交換について考えてみました。
この記事のまとめ
- エンジンオイルの役目には様々なものがある
- どんなエンジンオイルを選べばいいのかは多岐に渡るので一言では言えないが、適切でないものがある
- 交換時期はいつなのかは使い方でばらつきがあり、同じ車でもこれだという決め方はできない
- オイル交換をどう考えるかで頻度やグレードも変わる
エンジンオイルの役目
役割を挙げていくと…..
- エンジン可動部潤滑
- 不純物を取り除く
- 冷却
- 金属面の油膜で隙間を埋める
- 防蝕防錆
普通、機械油というと潤滑が主な役割と考えますが、上に挙げたように車のエンジンオイルというのはかなり過酷な環境に置かれていることがわかります。
油だから潤滑や防蝕はわかるけど、冷却とは何でと思われる方もいらっしゃると思います。エンジンを冷やすのは水冷式エンジンの場合、水であり、それをラジエーターから排熱しているではないか。それが主だろと。
ところが水はエンジンブロック内を通過しているだけだが、エンジンオイルは熱の発生元であるピストン、シリンダーに直接触れているんです。尤も、オイル自体の冷却はオイルクーラーがないと間接的にクーラントに頼るわけなんですが。
エンジンオイルの選択
エンジンオイルを選ぶとき、何を見て選ぶかです。
- ベースオイルの種類: 鉱物油か合成油など
- 粘度: 5W-30などの数値
- メーカー: ENEOS、Gulf、Castrolなど
- グレード:SM,SN,SPなど
一番確実なのは、その車の純正品、取扱説明書に書かれている製品が確かだし、それ以外のメーカーだとしても粘度やグレードを守っていれば使っても良いエンジンオイルです。
迷うのが粘度です。一般に、低粘度なら燃費重視、高粘度なら保護性能重視ですが、最近の車は0W-20などかなり低粘度品が流行りであり、それなら自分の車にも入れようかと思う方もいらっしゃるはずです。
どんな車種が低粘度品を使っても良いかは一概には言えませんが、メーカー推奨にないオイルであれば使わないほうが無難です。あまりに違い過ぎる粘度のオイルを使うとエンジンを痛めることもあります。一般には、メーカー指定の粘度より小さいのは避けたほうがいいでしょう。高いほうはありです。例えばメーカー指定が5W-30だとして、0W-20は非推奨だし、5W-40ならありという意味です。
粘度の値が同じならなぜ価格の違うものが存在するのか。エンジンオイルは粘度だけでは性能は決まらないからです。このあたりを説明すると長くなるので省略しますが、ネットなどでそのオイルの評価を調べていくと朧気ながらわかってくるはずです。
交換時期はどう決める
いろんな車種のエンジンオイル交換時期を見ているとかなり差があります。5,000キロで交換、15,000キロで交換など何で大きく違うのかなと疑問が湧きます。
粘度や走行キロ数はメーカー指定だからそうなんだと守るにしても、それならなぜカーショップなどへ行くと3,000キロ毎に交換など宣伝しているのでしょうか。利益主義?本来メーカー指定が15,000キロの車を3,000キロで交換すると4回も余計に出費することになります。
タネを明かせばメーカー指定は必ず交換してね、という走行距離であり、使い方によってはそれよりも短い距離で交換したほうが良いのです。大雑把に言ってしまうとシビアコンディションで使う車は半分の距離、ちょっと我慢して70%くらいの距離で交換するのがおすすめです。
シビアコンディションというのは以下のようなエンジンにとっては過酷な状況を言います。
- 一回に乗る距離が10キロに満たない。一日1,2回乗車として。
- 悪路、高速、坂道が多い
- 割とアクセルを踏み込んで使う
- 山岳道路などのアップダウンが多い
あと、交換インターバルですが、半年から1年以内にがおすすめです。
最近は環境負荷的にもなるべく廃油を出さないような雰囲気ですが、バランスですね。
エンジンオイル交換をどう考える
誰しもエンジンオイルなどの消耗品にお金はかけたくないと思います。ホームセンターへ行けば4リットル3,000円前後でそれなりのオイルが売られています。一方、同じ量で一万円を超える高級オイルもあります。見た目は同じようなオイル、何かが違うのですが、どっちを入れようと別にエンジンが壊れるわけではありません。
しかし、例えば同じ車種の新車を2台購入し、1台はそれなりのオイルをなるべくケチって交換、もう一台は割と性能のいいオイルを適切または早めに交換して10万キロ以上使った場合、エンジン自体の調子や内部はどうなんでしょうか。
新車から10万キロ程度で乗り換えるのであれば影響はないのかもしれませんが、できるだけ長く乗りたいのであればオイル管理が大切です。それとエンジン自体の音や調子も気になるようならオイルも影響します。
どこまで凝るか、どう車と付き合っていくのかという根本的なことからエンジンオイル交換を考える必要がありそうです。オイルという意味ではデフオイルやミッション、オートマチックトランスミッションやCVTも同様ですね。
オイルだけではありませんが、結局そういう車との接し方がその後の調子に影響するのは関係ありそうだと思っています。手放したあとも調子よく、かつ、自分が乗っているときも安心していられるのがいいと思います。
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