この夏、スパークプラグ交換を行った時の状況を記事にしたいと思います。
この記事のまとめ
- 交換時期だったので交換した
- スパークプラグはNGKイリジウムMAXを使用
- 専用工具がないと無理なので購入した
- 取り外すパーツがいくつかあり大変だった
- 次回交換時はやめとこか
交換しようと思った経緯
この車は今年春に中古で購入しています。約10年落ち、オドメーターは約10万キロです。イリジウムプラグのSILFR6Aという型番が標準プラグで、それが新車時に取り付けてあったはずです。
さて、新車時と同じものにしてもいいのですがNGKのサイトを見ているとプレミアムMAXプラグ、LFR6ARX-Pというものがありました。確認すると以下のようです。
- 価格は2割高い
- 寿命は2割長い
- 燃費はイリジウムプラグと比較して2.2%アップ
- アイドリング時も1.9%節約
- 始動性も良い
とまあ、いいことしか書いてありません(笑)
それでも手軽に交換することはないし、どうせならとこのMAXプラグにしました。コスパ的にも良さそうだし燃費もいいとありますから。2%というと10km/lとして200mです。ガソリン代にすると3.5円くらいでしょうか。単純計算では10万キロとして35万円、一年で走る距離が1万キロとして3.5万円。バカにできませんね。
なお、このプラグの最後の記号、私の車は-Pです。-11Pとあるのは別車種です。
工具を購入
さて、これまで水平対向エンジンのスパークプラグ交換は自分でやったことはありません。エンジン構造上、考えるとわかるようにピストン上部が横を向いています。ということはタイヤハウス側ですね。ところがその隙間と言ったら100mmはあるけど150mmあるかどうかです。
どんな作業でも同じですが、慣れていないので時間がかかるのは仕方ないにしろ、工具が無いとできない作業が存在します。今回はプラグレンチです。プラグが上からネジ込んである直列4気筒であれば何とかなりそうですが、この狭いところはどうにもならないと未経験な私でも理解できます。
それで購入したのが以下。これが無いと絶対に作業できません。ソケットレンチですが、頭をスパナで回せるようになっています。また、プラグの出っ張り具合によって追加したりして長さを変化させるわけです。
もし購入する場合はサイズに注意です。今回使うプラグ(LFR6ARX-P)なら対角16mmですが、14mmのものもあるので確認が必要です。
私はAmazonから購入しましたが、14mmと16mmは同じ画面から選択しています。間違えないように。
後は一般的な工具なのでこれを購入してやりましょう。実は落とし穴があったので後で紹介しますが。
作業の様子
残念ながら作業中の画像はありません。撮影する余裕がなく、手も汚れ、ちょっと焦っていたせいもあります。あしからず。
さてと。ボンネットを開け、エンジンルームを前にして開始です。前から向かって右側、つまり助手席側が難しいというネット情報ということよりそこから始めたいと思います。
助手席側から交換
イグニッションコイルが見えるので簡単に交換できそうですが、その上には樹脂のダクトが見えます。それが邪魔をしてそのままでは作業できません。
左:バッテリーとエンジン本体の一部が見えます。 右:オレンジ色の矢印はフロント側イグニッションコイルです。
実はバッテリーや二次エアシステム(黄色いエンジンオイルキャップ手前のユニット)を取り外す必要があります。これ以外の方法もありそうですが、ぱっと見てこれでいけそうだと考えた手順です。
ところでバッテリーを外す時、バックアップ電源を繋げておかないといろいろ面倒なことになります。電子機器が初期状態に戻るので接続後の手間が増えます。そうならないために予め12vを供給できるものを繋げておきます。
黄色い①がバッテリープラス側です。これまではここにバックアップ用のプラス側を繋げていましたが、作業時に動かすと外れそうになり、何か良い方法はないかと考えたのが黄色②のオルタネーター端子です。
この車種で言うと赤いゴムキャップをとると端子がありますが、それがバッテリープラスに接続されています。ここにワニ口クリップで挟みます。ここは作業時でも動かす場所ではないので安心できます。
一つだけ注意したいのが黄色①を外してぶらぶらオープンにしておく場合、ビニルテープか何かで絶縁する必要があります。更にそれをどこかからテープで固定したほうが作業が捗ります。もし車体に触れると電圧が落ち、バックアップが無効になります。
バックアップ用バッテリーは専用でもいいし、小さい容量の極端な話、例えば単一電池を直列使用でも可能です。但し、小さいバッテリーを使う場合は絶対にバックアップ中はキーレスを動作させたりカーナビなどは起動しないように。電圧が落ちてバックアップ無効になります。通常、車の待機電流はせいぜいが数十ミリアンペアなので室内灯くらいならいいですが、カーナビなどは数アンペアを消費します。
ここまで来てトラブル発生、下のオレンジ枠内のボルトが1本外れません。手前はラジエーターのリザーバータンクですが、その間にソケットレンチが入らないのです。スパナも入らない。メガネは持っていません。何度かトライしましたがややテーパー状になっているボルトの頭がややナメ気味になってきました。これはいかん。
ちょっと苦闘しましたが諦めて近くのホームセンターまでメガネレンチを買うために別の車で行きました。
ところがそのメガネレンチもしっかり入らない。ちょうど樹脂ケースのネジ穴部分が窪んでいるのとボルトの頭がややテーパー気味になっている。それにさっきの作業で若干なめたせいもあります。
それならと買ったばかりのメガネレンチの干渉する根元をサンダーで削ることにしました。それでもうまくいきません。
それならとリザーバータンクが傷ついてもいいとエイと得意の力ずくで緩めました。今想えばもっと賢い方法がありましたが焦っていた。
運転席側を交換
悪戦苦闘の末に助手席側が終わり、次は運転席側です。簡単かなと思いきやそうではありませんでした。写真では見えるものの、やはり吸気ダクト類を外さないと手が入りません。
ここまできて吸気ダクトホースを外す作業はかなり疲れてきました。とは言え、ここでやめるわけにはいかないのと何とかやるぞという気持ちから最後の力?を振り絞って作業続行です。
こちら側は助手席側より簡単だ、という情報は誤りでした。ほぼ変わらないですね。逆にABSユニットとかそれ以外で逆にレンチが回しづらかったです。
ということで完了しました。ここまで正味5時間!
8月終わり頃の真夏日にキツかった。
交換後、全て元通りにし、エンジンスタートです。4気筒ともうまくいっていれば正常ですし、どれかおかしければ不発がありそうです。
結果、OKでした。思わずやったぁ、という言葉が出ました。
ECUへの学習が必要ということでそのままアイドリングで15分ほど放置。無事完了です。
久々に悪戦苦闘だったなぁ
共通の作業メモ
作業についていくつか注意することがあります。私が感じたことなのでもっと慣れた作業者がやればどうってことないかもしれません。
イグニッションコイルのブーツ
下の下手な図を見てください。エンジンブロックにスパークプラグが取り付けてある図です。
もちろんスパークプラグは見えません。問題はスパークプラグ交換後、イグニッションコイルのブーツを被せる際、先端の端子にきちんと入ったかどうかです。
何度か試したのですが、ブーツが横にそれてもそれなりにコイル本体は固定できそうです。そうなると肝心の電気はスパークプラグへ行かないしイグニッションコイルも故障する可能性が大きいです。
それでどうしたかですが、スパークプラグへのイグニッションコイル取り付けながらでも周囲には指先が入るので、ブーツ先端とスパークプラグの頭を探りながら挿入するという作業で一先ず安心できました。
ブーツを入れてしまうとイグニッションコイルが入り口を塞いで確認ができないのでここは注意です。
スパークプラグ取り付け時のトルク管理
結論を言うと、トルクで締めるか、回転角度で締めるかです。
そもそもトルクレンチが入りにくいのと、これまで回転角度で行ってきたので今回も回転角度で行いました。
手で軽めにねじ込んでワッシャーがあたってから3/4回転というのが基本です。これ以上締めるとかなり硬くなります。手で軽めにというその加減は指先で普通にという曖昧な表現しかできません。軽くエンジンブロックにあたってというのと、手で強めに締めて、というのでは半回転くらい違ってきます。
慣れている方であればその限界はなんとなくわかりますが、そうでないと矢鱈に締めてしまうでしょう。長さ30cmから40cmくらいのメガネレンチであれば、成人男性の手の力で最後にグッとやるくらいと言っておきます。
とは言いながら、実は締め過ぎたのが1個あります。(良しとしとこう)
スパークプラグ取り付けの埃など
ちょっと緩めた後、エアーガンなどで吹き飛ばしておきました。何せ見えないので砂や埃があると良くないので気持ちだけでもと。
スパークプラグ取り付けは垂直に
スパークプラグ自体のネジ部は結構長いです。取り付けの際はプラグ穴の角度を意識してください。取り外す時にスパークプラグ先端がどんな角度であったかを手で覚えておき、それを取り付け時に再現しましょう。
もし斜めに入ってしまうとおそらく数回転でそれ以上回せなくなりそうです。そうなったら無理をせず戻しましょう。一旦取り外してリトライしてみて無理そうならレスキューですね。
もし完全にネジ穴を壊すと業者にお願いしなければなりません。
工具に一工夫
さっき回転角度で管理すると言いましたが、狭いエンジンルームでちょっと締めては工具を外し、また繰り返すといった作業だとどれくらいの角度を回したのかがすぐにわからないようになります。
そこで前にも出した画像ですが、このスパナがかからない、かつ、見える所の周囲に番号を書いてみました。例えば6面あるので1~6までという感じです。そうすると回し始めの数字を覚えておけば角度がわかります。
実際この方法でうまくいきましたが、最後になると汗のせいで油性ペンが消え、やや回し過ぎた感もあります。
交換後の感想
エンジンオイルに限らず、この手の感想は【何となくよくなった】的なことになります。
- エンジン音が軽やかになった
- エコ運転すると燃費が思ったより良い。空いている一般道で13km/Lを超えた
- エンジン回転が軽やかに上昇する
これまで取り付けてあったスパークプラグはやや電極が減っているように見えました。それでも全体の劣化度を考えるとやはりメーカー指定距離で交換したほうがいいと思います。
次回交換するのは20万キロを超えてからです。それまで乗っているかどうかもわかりませんが、次回の交換は自分でやるかどうか。体力次第ですが、案外業者任せになるかもしれません。
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